USDC発行元CircleがアブダビADGM金融ライセンスを取得、UAEおよび中東のステーブルコイン市場への展開を加速

USDC発行元のCircleは火曜日、アブダビ・グローバル・マーケット（ADGM）から金融サービス許可（FSP）を正式に取得したと発表し、アラブ首長国連邦における規制下のデジタル資産エコシステムへの展開をさらに深めることとなりました。この許可はADGM金融サービス規制局（FSRA）によって発行され、Circleがこの金融自由区でマネーサービスプロバイダーとして運営し、商業決済・国際決済およびその他の金融用途におけるUSDCのユースケースを拡大することを可能にします。

今年4月に暫定承認を取得した後、今回の最終許可により、Circleはアラブ首長国連邦でより大規模なUSDCの展開を推進できるようになりました。USDCの現在の時価総額は約780億ドルで、世界で最も規制が整い、広く利用されている米ドルステーブルコインの1つです。

Circleは同時に、中東・アフリカ地域のマネージングディレクターとしてSaeeda Jaffar博士を任命したことも発表しました。Jaffar博士は決済大手Visaに在籍した経歴があり、フィンテックおよび決済システムに豊富な経験を持ち、USDCの地域展開を加速させる重要な人材とされています。

アラブ首長国連邦が世界で最も活発な規制下のデジタル資産拠点の1つとなる中、Circleは現地の規制フレームワークへの積極的な統合を進めています。今年初めには、CircleのUSDCとユーロステーブルコインEURCがドバイ金融サービス庁（DFSA）の規制下で承認され、その地域におけるコンプライアンス体制がさらに強化されました。

アブダビも近年、世界中の暗号資産企業の誘致を加速しています。Circleの許可取得の前日には、ある取引所がADGM規制局から取引・決済・仲介業のライセンスを取得したばかりで、現地政府がデジタル資産産業を強力に支援していることがうかがえます。

アラブ首長国連邦などの市場で規制体制が徐々に明確になる中、ステーブルコインはグローバルな金融構造への統合を加速させています。世界のステーブルコイン時価総額はすでに3000億ドルに迫り、特に国際送金、企業決済、フィンテック分野などで急速に普及しています。銀行サービスコストが高い、あるいはインフラが脆弱な地域では、USDCなどのステーブルコイン需要が今後も拡大し続ける見込みです。

Circleの今回の許可取得は、中東市場への本格進出の重要な節目とされており、USDCのグローバルな金融用途への展開をさらに促進することとなります。（CoinDesk）