市場観察：主流通貨の圧力と機関の態度の変化

ビットコイン先物は最近104,000付近で何度も揉み合っており、テクニカル的にはあまり楽観的ではないと見られています。アナリストの中には、主要な上昇トレンドラインがすでに割れていると指摘する者もおり、この水準を維持できなければ87,000付近まで試しに行く可能性があるとしています。さらに重要なのは、現在BTCと金の連動性が明らかに弱まり、逆に高いボラティリティを持つテクノロジー株とますます連動し始めている点です。市場は明らかにリスク資産として取引している状況です。

イーサリアムの状況も楽観できません。価格は3,277付近まで下落し、4か月ぶりの安値を記録しました。短期的な売り圧力は続いていますが、面白いのは、機関資金が撤退している一方で、オンチェーンのアクティブアドレス数は大きく減少しておらず、年末の5,000アドレス達成の目標は一時的に撤回されていない点です。

伝統的金融の態度も緩みつつある

JPMorganの長期にわたり暗号通貨を否定してきたCEOジェイミー・ダイモンは最近、口調を変え、「暗号資産は実在し、大規模な応用が期待できる技術だ」と認めました。このシグナルは微妙です。ウォール街の古参たちが立場を変え始めるときは、主流金融がブロックチェーン資産を受け入れつつあることを意味します。

ロビンフッドの第3四半期のデータもこれを裏付けています。彼らの暗号取引収入は2.68億ドルに達し、前年同期比で300%増加しています。総収入の12.7億ドルのうち、かなりの部分がリテール向けの暗号取引から得られています。

政策の動向と支払いの革新

トランプ氏はマイアミでの演説で面白い発言をしました。彼は米国が「ビットコインのスーパー大国」になるべきだと直接呼びかけ、以前の政府による暗号業界への圧力を批判しました。彼の論理は、「米国が積極的に動かなければ、ビットコインの主導権はアジア市場に奪われる」というものです。

一方、リップルはMastercard、WebBank、Geminiと提携し、XRPL上でRLUSDステーブルコインを使ったカード決済のテストを行っています。これは伝統的金融機関がオンチェーンのステーブルコインを実際の取引に本格的に利用し始めた初めての例かもしれません。これが成功すれば、決済の仕組みに大きな変化がもたらされる可能性があります。