ブラックロック2025年投資展望：BTCが新しい多様化投資ビークルになる

資産管理大手ブラックロック（BlackRock）が「2025年グローバル展望」報告書を発表し、その中で、株式と低い相関性を持つことから、新しい多様性の投資ビークルとしてのBTCの潜在的な戦術ヘッジツールとなる可能性があることが言及されています。ブラックロックは引き続き、米国株式市場を支持し、AIが2025年の主要テーマであると考えています。

従来の分散投資ビークルの制限

株式と債券の収益の不安定な相関関係は、新しい経済体制を定義しました。政府債券は株式の投げ売りに対する緩衝材としての信頼性を失いました。ブラックロックは、金などの伝統的な多様化投資ビークルやビットコインなどの新興多様化投資ビークルが新たなリスクとリターンの源となる可能性があると考えています。ただし、これは長期債券を置き換えるためではなく、新しい独自のリスクとリターンの源を見つけるためのものです。

ビットコインは株式との関係が低い

新しい多様な投資ビークルとしてのBTCの潜在的な価値駆動要因は、予定された供給量が上昇する需要を満たすときの潜在的な価値の上昇と、投資家がBTCを支払い技術として広く採用する信念に基づく需要によるものです。例えば、米国大統領選挙後にBTCが歴史的な高値を記録し、トランプ氏が過去にBTCや他の暗号資産に対する支援を増やしたことが、BTCが広く採用される可能性の高まりを反映しています。これらのユニークな駆動要因により、BTCは長期的には株式やその他のリスク資産との相関が低くなるはずです。

上図は、BTCと世界の株式市場の相関関係（赤線）が依然として限定的であることを示しています。2022年に一時50％まで急上昇したものの、現在は15％に戻っています。BTCの独自の価値駆動要素を考慮すると、ブラックロックはBTCが主要なリスク資産と長期的に関連している理由はないと考えています。

ビットコインは潜在的な戦術的ヘッジになります

報告中でBTCのリスクとリターンの特性が広く採用されるにつれて変化する可能性があり、その時には特定のリスクの戦術ヘッジツールとしてより適している可能性があります、例えば金。

黄金はインフレに対抗する投資家の需要により急騰し、一部の中央銀行も主要な準備通貨の代替品を探しています。ブラックロックは、これらの代替品のパフォーマンスの変化を監視し、従来の資産クラスと柔軟に組み合わせることが重要だと考えています。

(デジタルゴールドの台頭、BTCは金の代わりに国家の準備通貨やドル化ツールになれるか？)

ブラックロックの2025年の投資アドバイス

2024年下半期、大型テクノロジー株の牽引で株式市場が歴史的な高値を更新しました。その後、デプス降息のハードランディングのシナリオ（筆者注：8月の大幅反落を指す）が現れ、典型的なビジネスサイクルの視点は現在の環境には適用されないことを示しています。現在の投資環境は大きな変革を経験しており、従来の60/40の株式と債券ポートフォリオはもはや適用されない可能性があります。

2025年、米国企業の能力とパフォーマンスに対して、ブラックロックは自信を持っており、米国株は世界の同業他社を上回る持続的な成長が続く可能性があります。米国は、企業収益を推進する強力な要素に恵まれ、有望な成長見通し、潜在的な減税、規制緩和の支援を受けています。

AIは、2025年においても中心的な存在であり、その強大な力はさらにアメリカの株式市場に恩恵をもたらすでしょう。他の国の株式市場については、ブラックロックは日本と中国に期待し、欧州については減少するとの見方を示しています。

ブラックロックはまた、潜在的なアメリカの予算赤字が持続的な財政的圧力を増大させていることを指摘し、そのために彼らは他の先進市場の政府債券や企業債券を好んでいます。なぜなら、それらは高品質の収入を提供し、バランスシートも比較的健全だからです。

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