CBDC | ナイジェリア中央銀行、eNairaがナイジェリアの金融安定性に脅威であるとの主張を否定

ナイジェリア中央銀行は、eNaira CBDCがナイジェリアの金融安定性に脅威を与えると主張する報道を否定するプレスリリースを発表しました。

2023年9月、同銀行は中央銀行デジタル通貨 (CBDC) 導入の金融的影響について詳述した300ページに及ぶ書籍を発表しました。この書籍では、CBDCが及ぼし得る影響について幅広いテーマが扱われており、具体的には以下の事項が含まれています。

• 預金負債
• 規制上の課題
• 社会福祉上の配慮
• 世論

この書籍の内容に基づき、出典のないニュース記事が、従来型およびSNSなどのメディアで、eNairaの導入がナイジェリアの金融安定性を著しく損なうと主張しました。銀行は、これらの記事の著者が、暗号資産の利用に関する誤解や誤った解釈から着想を得た可能性があると指摘しています。このトピックは書籍でも広範に議論されています。

書籍の中で議論を呼んだ分野の1つは、CBDC口座が従来の銀行預金の代替となり、商業銀行の重要性を損なう可能性についてです。

この動向は、中央集権化の進行をもたらし、金融安定性に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、多くの中央銀行が予防措置としてCBDCの保有上限を導入することを検討しています。

2022年には、当時のナイジェリア中央銀行総裁ゴドウィン・エメフィエレ氏が、2億人を超えるナイジェリア国民へのCBDC普及促進に消極的な銀行を『無関心』だと公に非難したと報じられました。

これらの課題の解決は、eNairaの広範な普及にもかかっています。国際通貨基金 (IMF) によると、これまでの進捗は比較的低調であり、同行は銀行に対し、政府の支援プログラム、加盟店決済システム、送金のためのより有利な外国為替 (FX) レートの活用などを検討し、eNairaの普及促進を図るよう勧告しています。

IMFは、eNairaの普及が鈍い理由の一つとして、ナイジェリアがCBDC導入を段階的に進めている点を挙げました。当初はeNairaの利用が銀行口座保有者に限定されていたため、一般市民への普及と利用拡大が妨げられた可能性があります。