円金利のこと、多くの人はまだ実感していない。

今は市場が反発していて、あちこちで「買い時だ」という声が上がっている。でも、ちょっと計算してみてほしい——日本の実質金利はすでに1%を超え始めていて、これは多くの資産のリターンよりも高い。

以前は、円を借りるコストがほぼゼロで、そのまま米国債やBTCを買えば、利ざやがそのまま懐に入った。あの時は本当に美味しかった。

今はどうか？金利がどんどん上がって、アービトラージの余地がどんどん小さくなっている。もし円金利が本当に2%以上まで上がったら、多くの資産のリターンでは借入コストをカバーできなくなる。その時どうなるか？大規模なポジション解消と売りが起きる。誰がそれに耐えられるだろうか？

機関投資家が今参入してポジションを築くのは、FRB（米連邦準備制度理事会）がさらなる利下げと金融緩和を続けると賭けているからだ。でも忘れてはいけないのは、12月のFRB会合で連続利下げの明確なシグナルが出なければ、この頭上の剣はいつ落ちてきてもおかしくないということ。

今の市場は感情だけで支えられている。感情というのは、来るのも去るのも早い。本当にアービトラージの鎖が切れたら、逃げたくても逃げられない。

今のこの局面、短期的な値動きだけを見ていてはいけない。日本10年国債の利回りと、FRBの政策姿勢、この2つこそが本当の生命線だ。これを理解することは、値上がり・値下がりを追いかけるよりも100倍価値がある。