イーサリアムのアップグレードを巡る盛り上がりはひと段落した。今月の市場で残っている投機ネタは二つだけ：FRB（米連邦準備制度）が利下げするかどうか、そして次期議長が誰になるかだ。

最近トランプは頻繁にハセットを後押ししていて、その意図はかなり明白だ。予想プラットフォームではハセットの当選確率がすでに9割に達し、ほぼ確定と言っていい状況だ。もし本当に彼が就任するなら、この男はアメリカ史上最も暗号資産に対してオープンなFRB議長になる可能性がある――少なくとも表向きはそう見える。

とはいえ、姿勢がフレンドリーかどうかは一つの話で、重要なのは彼がトランプの意向通りに素早く利下げを実行するかどうかだと思う。この点が、今回の小幅な調整がどれだけ長引くかを直接左右する。

さらに最近の大きな動きについて。FRBが突然銀行システムに135億ドルを投入したが、この規模はパンデミック以降で2番目の大きさで、かつてのITバブル崩壊時のどの救済措置よりも強力だった。

量的緩和が来るのでは？と考える人もいるが、私はそうは思わない。常識的に考えて、FRBが資金供給を始めればリスク資産は一度下落するはずだが、米国株式はほとんど反応していない。今回の資金注入は、枯渇寸前の池に水を足すようなものだ――米国株は急騰し、個人投資家はレバレッジをかけまくり、レバレッジ規模は1兆1,300億ドルの過去最高に到達、株価はロケットのように上がっている。

実際、市場の資金はほぼ枯渇している。FRBのこの動きは、積極的な資金供給というより、むしろ受動的な救済措置だ。データが示す通り、アメリカの銀行システムは決して順調ではなく、今回の対応は本質的には緊急の資金注入であり、経済が下り坂にあることの裏付けでもある。

だから結論はシンプルだ：短期的には好材料だが、長期的には疑問符がつく。市場に資金が足りない時に、この程度の流動性で新たな強気相場を支えられるか？現実的ではない。今は全体が今月のFRB利下げ期待だけで持ちこたえている状態で、今後どう動くかは政策次第だ。