レイ・ダリオは、1%のビットコイン投資ポートフォリオが量子コンピュータによる脅威に直面していると述べた

ビットコインは終末世界のために作られたが、価値の保存手段としては金に比べて依然として劣っている、とブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイ・ダリオ氏は述べている。

「インターネットに接続できる人なら誰でもデジタル資産を自分で守ることができる。しかし、こうした人々も依然として他者、つまりグローバルなネットワークマシンにトランザクション処理を依存している」とこの億万長者投資家は木曜日のCNBCのインタビューで指摘した。

今年は通貨価値下落への懸念から金価格が史上最高値を記録。ダリオ氏は7月、米国国内外を問わず、政府債務の増加に関連するマクロ経済リスクから自身を守るよう投資家に促していた。

当時ダリオ氏は金を好むと述べており、今週もビットコインについて特にその耐久性や、中央銀行が国際貿易や経済安定化のために利用できるかどうかに懸念を再表明した。

「ビットコインの問題は、追跡可能であり、量子コンピュータによって制御されたりハッキングされたりする可能性があるため、主要国の準備通貨にはならないことだと思う」と彼は語った。

先週、ある中欧の中央銀行が初めて暗号資産への投資を発表し、1億ドルをビットコイン、ステーブルコイン、トークン化された銀行預金に配分した。当局は、この「テストポートフォリオ」により中央銀行がデジタル資産への対応方法をよりよく理解できるようになるとしている。

量子コンピュータがビットコインの暗号を破るほど強力になるには数年かかる可能性があるが、グーグルやIBMなどのテック大手が大きな進展を発表する中、業界では対策の必要性が高まっている。

取引履歴はすべての人が見ることのできるパブリック台帳に記録されているため、誰かの身元がデジタルウォレットに紐付けられれば、ミキサーを使って資金の流れの発信元や送付先を隠さない限り、ビットコインを追跡するのは比較的簡単だ。

ダリオ氏は、長期間にわたり自身のポートフォリオに「ごく少量」のビットコインを含めているが、それは総資産の1%に相当すると推定している。7月には、投資家は資産の少なくとも15%をビットコインや貴金属に配分すべきだと提案していた。

金が価値保存の手段として優れているのは、誰の提供も必要とせず現物で保有できる点だとダリオ氏は語る。それでもビットコインと金はいずれも政府の紙幣発行によって価値が下落しない「強い通貨」だと考えているという。

ダリオ氏の通貨価値下落への懸念は、米国の債務水準の増大と関係しているが、他のいくつかの国も拡大する財政赤字に直面しており、ある欧州の国や別の欧州の国も含まれる。これにより数カ月前に彼が言及した「債務による心臓発作」が起きかねないとしている。