ビットコイン恐怖・強欲指数（F&G指数）を完全理解する

暗号資産トレーダーなら必ず一度は目にしたことがあるはずの「恐怖・強欲指数」。市場のムード値を0～100で示すこのツールが、なぜ多くのトレーダーに活用されているのか、その理由と使い方をシンプルに解説します。

F&G指数って何？ざっくり言うと

F&G指数は、市場全体の心理状態を数字で見える化したもの。Bitcoinのボラティリティ、取引量、ソーシャルメディアの盛り上がり、Googleトレンドなど、複数のデータを組み合わせて算出されます。

指数のレベル分けは以下の通り：

• 0～24点：極度の恐怖 → 買いのチャンスかも
• 25～49点：恐怖 → 投資家が慎重になってる
• 50点：中立 → 市場が均衡している状態
• 51～74点：強欲 → リスク意欲が高い
• 75～100点：極度の強欲 → 危険信号、調整の可能性

指数の計算、どうやってるの？

Alternative.meが公開している計算方法によると、6つの要素をそれぞれ異なる重み付けで組み合わせています：

1. ボラティリティ（25%の重み） Bitcoinの価格変動が通常より激しいかをチェック。過去30日・90日の平均と比較して、異常な上昇は恐怖を示します。

2. 取引量とモメンタム（25%の重み） 現在の取引量と上昇勢いが平均より上回っていれば、市場心理は強欲モード。

3. ソーシャルメディア（15%の重み） Twitter上でBitcoin関連ハッシュタグがどれくらい盛り上がっているか分析。反応が急増すれば強欲、沈黙なら恐怖を示唆します。

4. Google検索トレンド（10%の重み） 「Bitcoin crash」といった恐怖キーワードが急増したら市場心理は弱気。

5. Bitcoinドミナンス（10%の重み） Bitcoinの時価総額シェアが上昇すれば、投資家がアルトコインから逃げている=恐怖心理。

6. サーベイ（15%の重み） 暗号資産コミュニティへのアンケート（現在一時停止）。

計算例でイメージをつかもう

ある日のF&G指数を計算する場合：

• ボラティリティスコア：20点 × 0.25 = 5
• 取引量スコア：75点 × 0.25 = 18.75
• SNS感情スコア：70点 × 0.15 = 10.5
• ドミナンス：30点 × 0.10 = 3
• Google検索：25点 × 0.10 = 2.5

合計：5 + 18.75 + 10.5 + 3 + 2.5 = 39.75点

このスコアなら「恐怖」ゾーンに分類され、理論上は買いの好機を示唆しています。

トレーダーはこう使う

スイングトレードとの組み合わせ

F&G指数は単独では弱いので、他のテクニカル指標と組み合わせることが重要です。例えば：

Bitcoinが52,000ドルから45,000ドルに下落 → F&G指数が20点（極度の恐怖）→ 同時にRSIが30以下（売られ過ぎ）→ MACDが強気のクロスオーバーを形成

これら3つの信号が一致すれば、反発のエントリーポイントとして検討する価値があります。

長期予測には向かない

ただし注意点として、F&G指数は短期のムード指標であり、長期トレンド予測には適さないということ。暗号資産の構造的な変化（規制、採用、技術革新など）を反映していないため、これ1つに頼るのはNG。

信頼できるデータソースはここ

Alternative.me Crypto Fear and Greed Indexの元祖。最も詳細な内訳が見られます。

CoinMarketCap 2023年に独自のF&G指数をローンチ。Bitcoinだけでなく、広範な暗号資産市場のセンチメントを計測しています。

トレーダー向けの実践3ステップ

1. トレードプランを立てる F&G指数に惑わされず、あらかじめ戦略・リスク許容度・損切りラインを決めておく。

2. トレード記録をつける なぜその判断をしたのか、結果はどうだったのかを記録。パターンが見えてきます。

3. 経験者から学ぶ ベテラントレーダーの戦略を参考に、自分のアプローチを改善していく。

結論

F&G指数は市場の「今の空気」を掴むには便利ですが、万能ツールではありません。テクニカル分析、ファンダメンタル分析、リスク管理を総合的に組み合わせることで初めて効力を発揮します。恐怖と強欲のバランスを取りながら、規律あるトレードを心がけましょう。