Azukiの摩訣

俺はAzukiコレクションに足を踏み入れた瞬間から、このNFT界の闇に魅了されてしまった。イーサリアムブロックチェーン上に存在する10,000体のアニメ風キャラクターたち。表面上は単なるデジタルアート。でも実際は、欲望と投機の渦巻く沼だ。

あるとき、Azuki #9605が420 ETHで売れたとかいう噂を聞いた。クソ高いだろ？正直言って、こういうバブルに大金をぶち込む連中の気が知れない。でもな、このコレクションには何かがある。ただの絵じゃないんだ。

「The Garden」っていう会員専用の世界への入場券。エアドロップの権利。ブランドグッズ。イベント参加資格。こういうものに価値があるって、みんな信じてる。俺も半分は信じてる。半分は疑ってるけど。

イーサリアムの技術的な素晴らしさを示す証拠だとか、NFT市場の未来だとか、専門家は偉そうに語る。でもさ、実際は誰もこの市場の行方なんて分からないんだ。今日16 ETHのフロアプライスが、明日には5 ETHに暴落することだってある。Elementalsコレクション発売後に実際そうなった。

俺の友人はAzukiに全財産をつぎ込んだ。「これは投資だ」って言ってた。今じゃ彼は毎日チャートとにらめっこしてる。デジタルアートに魂を売った哀れな男さ。

だけど、正直に言うと、俺もこの熱狂に参加したい気持ちがある。市場は病んでるかもしれないけど、参加者の情熱は本物だ。コミュニティの結束力はマジですごい。

最近、市場のある取引所でETHを買い集めてる。Azukiを手に入れるためじゃない。絶対に違う。でも、いつか衝動的に「赤い豆」を食べて、この狂気の庭に足を踏み入れることになるかもしれない。

だから警告しておく。Azukiの世界は魅力的だ。だがそれは、お前の財布と精神を奪う可能性もある危険な世界だ。