FTXの崩壊：全経緯

2019年の創業から破綻に至るまで、FTXの歴史を振り返ってみましょう。

急成長と資金調達

2019年5月、元ウォール街トレーダーのサム・バンクマン-フリードと元グーグル社員のゲイリー・ワンがFTXを設立しました。わずか2年後の2021年7月には90億ドルの資金を調達し、企業価値は180億ドルに達しました。さらに2022年1月、FTXの米国部門が初の資金調達で4億ドルを獲得し、企業価値は320億ドルにまで膨らみました。

崩壊への序曲

2022年11月2日、CoinDeskがアラメダ・リサーチの財務状況に関する記事を公開。FTXの自社トークンFTTへの依存度が高いことが明らかになりました。これを受けて11月6日、大手取引所Gateの最高経営責任者がFTT保有分の清算を表明。この発言が市場に衝撃を与え、FTXの運命を決定づけることになります。

破綻と法的手続き

2022年11月11日、FTXは米国で連邦破産法第11章の適用を申請。バンクマン-フリードはCEOを辞任しました。その後、顧客資金の不正流用や監督当局の調査など、様々な問題が表面化。11月16日には債権者が100万人を超える可能性があると明らかになりました。

2023年の展開

2023年に入り、バンクマン-フリードの裁判が始まりました。1月に無罪を主張するも、8月には保釈が取り消されて拘置所に収監。10月3日から公判が開始され、自ら証言台に立って無実を訴えましたが、11月2日、7つの全ての罪状で有罪判決を受けました。

FTXの元幹部も次々と司法取引に応じ、内部の実態が明らかになっていきました。

まとめ

FTXの急成長と劇的な崩壊は、暗号資産業界に大きな衝撃を与えました。この事件を通じて、取引所の透明性や規制の重要性が改めて認識されることとなりました。今後も業界全体で健全性向上への取り組みが求められるでしょう。