AIとブロックチェーンが交差する夏、JBWが8月開幕──業界の垣根を超えた対話に注目【主催者の藤本真衣氏インタビュー】 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)

AIとブロックチェーンが交差する夏、JBWが8月開幕──業界の垣根を超えた対話に注目【主催者の藤本真衣氏インタビュー】

8月22日から9月19日にかけて、ブロックチェーンに関する多様なイベントが行われる日本最大級の「JBW(ジャパンブロックチェーンウィーク)」が開催される。

今回のテーマは「AIがブロックチェーン進化の次なる波を形成する」。期間中には、パブリックブロックチェーンSolana(ソラナ)の日本展開を推進する「Solana Superteam Japan」によるイベントやWebX Asia、ETHTokyoのハッカソンなど、複数の主要なWeb3・ブロックチェーン関連イベントが予定される。

23日にはキックオフとして、「ジャパンブロックチェーンウィークサミット」が開かれ、GPUの世界的トップメーカー米NVIDIA(エヌビディア)の日本法人、NVIDIA合同会社やGMO天秤AI株式会社などの講演が行われる予定だ。

JBWは、2018年に始まったNFTカンファレンス「Non Fungible Tokyo」に端を発し、現在は複数の団体が連携して運営している。国内外からNFT、ブロックチェーン、暗号資産(仮想通貨)の専門家や関係者を招き、Web3の普及と業界の健全な発展を目指す取り組みだ。CoinDesk JAPANを運営するN.Avenue代表取締役CEOの神本侑季もアドバイザーとして参画している。

CoinDesk JAPANは6月、JBW主要メンバーの一人で、「ミスビットコイン」として暗号資産黎明期から業界に関わってきた藤本真衣氏に今年の見どころを聞いた。

AIは「絶対に外せない」テーマ

──JBWが生まれた経緯や背景を教えてほしい。

JBWの原点は、NFTがまだ一般に認知されていなかった時期に始めた「Non Fungible Tokyo」。(NFTの正式名称である)Non-Fungible Tokenにちなんで名付けられたが、当時は参加者60人ほどの小規模なイベントだった。

その後も、注目トピックに焦点を当ててカンファレンスを続けてきたが、2022年からは単独イベントではなく「日本全体でブロックチェーン業界を盛り上げる」ことを目的に、他の主催者と連携して開催日程を調整し、JBWという形で展開している。結果的に、海外からの参加者に訪日してもらいやすくなった。

──AIがブロックチェーンに与える影響をどう見ているか。

グローバルで見たときに、AIは絶対に外せないテーマ。

例えば、GPUを大量に保有・運用するプロジェクト「Aethir(エイサー)」は、暗号資産で資金調達を行い、NVIDIAのH100を約4000台保有している。いわば、「マイクロストラテジーのGPU版」とも言える存在で、AIインフラとして重要な役割を担っていることからも、AIとブロックチェーンの融合領域は見逃せない。

また、AIは一度インフラが確立すると人間の制御が困難になる可能性があり、Web3の文脈で語られてきた「独占への違和感」がより明確になってきている。

そうしたなかで代表的なのが、「0G Labs(ゼロジーラボ)」というプロジェクト。Web2で問題視された情報の中央集権をAIの世界で繰り返さないよう、最初から分散型のAIインフラを構築しようとしている。AIが十分に発展した後、支配構造を分散化するのは困難であるため、今のうちから分散基盤を設計している。

これらのプロジェクトはいずれも、23日のサミットに登壇予定なので楽しみにしてもらいたい。

JBWの意義は、ブロックチェーン業界と業界の外を繋ぐことにある。サミットにはほかにも、AI分野で活躍する大手企業などに登壇してもらう。AI業界の人にWeb3の真剣な取り組みを知ってもらい、ブロックチェーンだからこそ実現できる価値を共有したい。こうした相互理解の場をつくることで、業界の橋渡しができると考えている。

バーチャルヒューマンがMC、AIロボが会場案内

──これまでのJBWサミットとはまた違った雰囲気になりそうだ。

「Non Fungible Tokyo」もそうだったのだが、暗号資産業界に限らず、エンタメ業界やアーティストなど参加者の層が多様化していくなかで、イベントの雰囲気も大きく変化した。今回はAI分野のプレイヤーも加わることで、さらに新しい空気感になると期待している。

サミットの見どころとしては、3DCGのバーチャルヒューマン「imma(イマ)」を手がける日本企業Aww Inc(アウ)の登壇がある。immaはプラダやバーバリーの広告にも起用され、世界的に知られる存在。今回、AwwはJBWのために新たなバーチャルヒューマン「未来ちゃん」を制作し、イベントのMCを務めることになっている。トークン発行など、Web3ならではの取り組みや企画も予定している。

さらに、GMO AI&ロボティクス商事が提供する、動作プログラムをカスタマイズ可能な国内初のヒト型AI搭載ロボット「G1」が会場内の案内役を務める。来場者がわくわくする、AIとWeb3の融合が体験できる仕掛けを用意している。

8月23日は土曜日。ぜひ会場に足を運んでもらいたい。

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決済分野での暗号資産普及、プライバシー保護の高まり

──現在の日本のWeb3業界をどう見ているか。黎明期から関わる立場として、変化は感じるか。

大きく2点ある。ひとつは、暗号資産の決済利用が本格的に進展していること。もうひとつは、プライバシー保護への意識の高まり。

私自身2011年ごろからビットコインに触れ、暗号資産の決済領域の普及に取り組んできたが、最近は大型の資金調達事例や、大手金融機関・決済プラットフォームとの提携も増え、暗号資産決済が実際に浸透してきたと感じている。

同時に、AIの急速な進展により、個人データの取り扱いに対する懸念も強まっている。ブロックチェーンは本来透明性を重視した技術だが、すべての取引が公開される現状は、セキュリティ面でのリスクにもつながりかねない。場合によっては、「銀行口座の残高をぶら下げて歩いているようなもの」になってしまう。実際、大口保有者が誘拐されるといった事件も起きており、透明性が裏目に出るケースもある。

こうした課題意識は、ブロックチェーン業界でも共有されつつあり、最近のイーサリアム系イベントでは、プライバシー技術に関するセッションが明らかに増えている。米国では、トルネードキャッシュ(Tornado Cash)への無罪判決や闇サイト「シルクロード」の創設者に対する恩赦の議論など、プライバシーに対する関心が注目を集めている。

〈JBW期間中に開催される主要なイベント〉

| | | | | | --- | --- | --- | --- | | 日程 | タイトル | 主催団体 | 詳しくはこちら | | 8.23 | Japan Blockchain Week Summit AI Edition | Japan Blockchain Week | | | 8.24 | Solana Super Tokyo | Solana Superteam Japan | | | 8.25-26 | WebX Asia | WebX | | | 8.27 | Blockchain Leaders Summit | B Dash Ventures / Hashed | | | 9.11 | Web3 Privacy Now | Web3 Privacy Now | | | 9.12-15 | ETHTokyo | ETHTokyo | | | 9.16-19 | EDCON Osaka | 大阪府、De University of Ethereumなど | |

今年のJBWでは、AIや分散型技術がもたらす社会的インパクトを掘り下げるセッションが多く予定されている。これは、利便性の裏で高まるプライバシーや倫理面のリスクに、早い段階から向き合う必要があるという問題意識の表れでもある。

ブロックチェーンの現在地を実感

──ブロックチェーンウィーク全体としては約4週間の長丁場となる。最後に来場者へのメッセージを聞かせてほしい。

今回のブロックチェーンウィークは、8月22日から9月19日までと約1か月にわたる長期開催となる。

サミットだけでなく、Solana Super Tokyo、WebX Asia、Blockchain Leaders Summit、そしてETHTokyoといった多彩なイベントを通じて、日本のブロックチェーンの現在地や、グローバルとの接続点を実感できる構成になっている。

終盤にあるETHTokyoは、カンファレンスとハッカソンを組み合わせたユニークなイベントで、世界のイーサリアム開発者たちが集う場となる。2025年のテーマは「Emancipatory Tech for Future of Humanity」(人類の未来のための解放的技術)。世界中からイーサリアム開発者が集まるので、どんなプロジェクトが登場するか楽しみにしてもらいたい。

◇◇◇

CoinDesk JAPANは、JBW2025の公式スペシャルメディアパートナーとして、会期中も本イベントの魅力と可能性をお届けする。ブロックチェーンとAIが描く新たな未来が、この夏、ここから動き出す。

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