1inchは、新たなネイティブ分散型クロスチェーン取引機能の提供を正式に発表しました。これにより、ユーザーはSolanaや12以上のEVM互換チェーン間で、従来のブリッジプロトコルやメッセージリレーを経由せず、資産を直接スワップできます。
この機能はFusion+アーキテクチャを採用し、ダッチオークションモデルとオンチェーンエスクローを組み合わせた設計となっています。両者が暗号化された「シークレット」を開示した後、取引は同時に実行される仕組みです。これにより、ブリッジ時に生じやすい資産の不正流出や盗難リスクを最小化できます。また、MEV対策機能も備えているため、ブリッジ不要でユーザーが常に資産を完全に管理でき、全体的なセキュリティ水準が大幅に向上します。
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こうした大きな進展があったものの、1INCHの市場反応は短期的には限定的です。クロスチェーン機能の導入以降、価格は$0.24〜$0.25のレンジで推移しています。
テクニカル面では、1INCHの終値が200日指数移動平均線(EMA)を下回り、現在は$0.246付近に位置しています。RSIは50を割り込んでおり(約43)、MACDも弱気クロスを示しているため、短期的な下落圧力が続いていることを示唆します。市場データによれば、8月10日以降、$0.26〜$0.30付近で何度も売り圧力に直面し、全体で26%以上下落しています。資金流入は弱く、長期保有者の動きもほとんど見られません。
現在のデータから判断すると、今後50日EMA($0.257)を早期に回復できなければ、直近安値$0.232を再度試す展開が想定されます。テクニカルがさらに悪化した場合、$0.21またはそれ以下への下落リスクも想定されます。
一方で、長期的にはクロスチェーン機能導入による流動性の向上やユーザーベース拡大、プラットフォームのDeFiエコシステム価値の強化が期待されます。市場参加者の増加により$0.30超への反発や、ブレイクアウト後の$0.33レンジまでの上昇も見込まれます。長期の一部予測では、1INCHが今後数年で$0.5〜$2レンジへと値上がりし、100%から700%の上昇幅となる可能性が示唆されています。